Story


 【烙印】。それは、成人前の少年少女たちに突如として現れるとされている紋章。

その紋章が身体に現れた者には、それぞれ奇妙な力が与えられるという。

一度その身に烙印を宿せば、その印は死ぬまで消えることはないとされ、

烙印を持ってしまった彼らには与えられた力や烙印そのものの不気味さによって人々に忌避されてしまう、そんな世界。

 

イグニアの村に住む少年ラウフも、ある日を境にその身に烙印を宿した子供だった。

10年前、記憶喪失だった少年を拾った村の人々は、けれどそんな彼のことを受け入れてくれた。

 

そんなある日のこと、彼が幼馴染の少女レイの忘れ物を届けに村の近くの森に行った時、奇妙な声を聞いた。

『烙印の子』というその言葉の意味を知るため、少年は幼馴染と共に王都へと旅に出ることとなる。

 

それが、やがて自身の出で立ちに関する壮絶な旅になるということを、少年はまだ知らない。